2010年5月15日土曜日

100515 国会で起きた超常現象について




「今世間で話題になっている国会議会で起きた超常現象」についてのメールが何通か来ている。

自分は以前「外気功」と呼ばれているような、人の体を直接触らないで倒したり引き寄せたりする奇術についてこのブログでも書いたことがある。あれは要するに人間の心理を突いて、さも何かしらのチカラがはたらいて倒れたり押したりに見えるようにしているだけである。

問題の国会で起きた「超常現象」と言われているのシーンのビデオがyouTUBEにもあった。




画面向かって中央左寄りにいる甘利明という国会議員が隣に立っていた腕組みをしている初鹿という男性議員を両手で押したところ、押された初鹿議員のうしろにいた三宅雪子議員がものすごい勢いで前にドテッという感じで転倒している。

何故これが「超常現象」かというと、転倒した三宅雪子議員が自分のすぐ隣にいた押された側の初鹿議員ではなくて、最初に初鹿議員を押した甘利議員に暴力行為を受けた(突き飛ばされた)と言っているからだ。

では、その最初に押された初鹿議員はなんて言っているかというと、これが謎に包まれているのだ。


開会が遅れたりで、やっと本会議が終わりました。昨日の内閣委員会の質疑の際に自民党の大臣経験者につき飛ばされたようで、転倒して負傷した三宅雪子議員が松葉杖で本会議に出席していました。採決で壇上に上がる時は大変そうでした。
http://twitter.com/AkiHatsushika/statuses/13905161035

この初鹿昭博という甘利明議員に直接に押された議員は、自分が押された勢いでもって三宅雪子議員が転倒したということ、つまり自分が当事者として体験した事実も記憶にないのだ。これを謎と呼ばずになんと呼べばいいのだろうか。

ふつう、自分が接触した相手があれだけの勢いで倒れこんだということは、自分に対しても相当なチカラ(押すエネルギー)が加えられたということだから記憶に残らないはずがない。その記憶(体感)すらこの初鹿議員にはないらしい。

まさに謎が謎を呼ぶような超常現象が(しかも日本の国会で、大勢のカメラの前で)起きてしまったということになる。

しかも、ビデオをスローで再生してみると、さらに多くの超自然現象が起きていることがわかる。三宅議員を前に突き倒すだけの運動エネルギー(みたいなもの)はどこから来たのかだ。



普通、このような状態で歩き出そうとした人間(片足立ちになる)が横、あるいは前方斜めから(二次的な)圧力を受けた場合、後ろの方向に尻餅をつくような形で倒れる。ビリヤードを連想するとわかりやすいかもしれない。

つまり、後ろに倒れこもうとする人間に与えられた運動エネルギーとか位置エネルギーをも帳消しにして、さらにその何倍もの運動エネルギー(のようなもの)が三宅議員の後方から加えられた(あるいは前方から引き寄せられた)ということになる。

その押す力(エネルギーみたいなもの)はどこから来たのだろうか。それがまったくわからない。

三宅議員の言い分と、この初鹿昭博議員の「証言」、そしてこの現場のビデオを見て総合的な判断を下すと、三宅雪子議員は「私は甘利議員が放った目に見えない圧力によって真後ろから突き飛ばされました」と主張しているんだなと受け取らざるを得ないことになる。

しかもだ。このような不可解な状況にもかかわらず、転倒した三宅雪子議員はすぐさまに「(初鹿議員ではなくて)最初に初鹿議員を押した甘利議員に転倒させられた(と認識をもった)」というのだから、もしかするとこの三宅雪子という人は(相手の意思を読み取る)テレパシーかなにか特殊な持ち主である可能性も浮上してくるではないか。

聞けば、民主党の国会対策委員会は、最初に初鹿議員を押した甘利議員を、三宅議員に対しても暴力行為があったとして懲罰動議にかけるといっているらしいが、何を悠長なことを言ってるのだろう。そんなことやってる場合か。

懲罰動議より先に「日本の国会で起きた超常現象の実在の証拠」として「サイエンス」とか「パリティ」といった科学論文誌に論文として提出するべきだろう。

民主党が「三宅議員は(初鹿議員にでなく)甘利議員に転倒させられたといっているということは、それはすなわち甘利議員が(単なるトリックの「外気功」ではなく)超能力の持ち主かなにかで、それが本当にこの世に実在するという前提があればことだからだ。

もし、これが甘利議員の超能力の仕業でないとしたら(つまりこの世には外気功というような超能力というものは存在しないとしたら)それはこの三宅雪子と初鹿昭博が組んだ猿芝居ということになるのだろうけれど。

2010.05.15

[追記]

この件に関するコメントがいくつか来ている。紹介できるようなものがないのが残念だが。

自分はなにも外気功というような超能力の実在前提でこのようなことを書いているのではない。

彼ら(民主党であり、三宅・初鹿両議員)の言い分は「甘利明議員は外気功というような超能力の使い手であり、そのみえないパワーを使って三宅議員を突き飛ばして転倒させて怪我を負わせた」になるのだがそれでいいのかということだ。

もちろん自分は超常現象を否定する立場にあり、この現象の真相は単に三宅と初鹿の仕組んだ猿芝居だと確信している。(偶発事故の可能性もないということ)

ただしこれが重要なことなのだが、このふたりが芝居を打ったということを証明する直接証拠らしいものもない。これも事実である。

但し傍証はいくらでも出てきている。

・そもそも三宅初鹿両議員はこの委員会に所属はしていない。三宅は自分の所属する委員会が流会になったのちに何者かの招集を受けて、ともに見学の立場で議会に入場している。

・共産党の議員からの指摘もあったが、参加資格のない見学の議員があの場所(通路)にまで足を踏み入れることがそもそも議会の進行を妨げる妨害行為になる。

・現実、初鹿議員は腕組みをして、議長席に歩み寄ろうとした甘利議員の前に立ちふさがった。(だから甘利議員は初鹿議員を押したのだ)

・一度「どけろ」といわんばかりに手で払うしぐさをした甘利議員に対して、初鹿議員はそれを拒否する意思を示すように首を横に振っているようにも見える。(甘利議員がハメられたと述懐しているのはこれを指していると思われる)

・そののちに、初鹿容疑者は甘利議員が自分を押しのけようとするのに身構えて腰を低くして前かがみの姿勢をとった。つまり、初鹿容疑者ははじめから甘利議員の通行を邪魔する目的であの場所に立っていた可能性が非常に大きいということになる。

・その他 三宅議員の「事件後」の発言に「自転である」とするものがあったという他議員の証言があったり、肝心の「診断書の内容が直接転倒事故と結びついたものとは見られないものである」とするもの…

信じられないくらいの数の疑惑が浮上してきているのは皆様も御存知であろう。

自分が思うこととは、国会がどうしたとかそういうことよりも、このような安易な仕掛けで何かを企むと結局恥じを晒すことになるというのは、テレビとかが仕立てる(インチキ)オカルトと同じだよということなのだが。

[追記 2]

事件の詳細が明らかになるにつれて、内容がジュセリーノとも超常現象からも遠く離れてきたものになってしまった。

この三宅雪子という人の言い分(証言)自体もコロコロと変わってきているし、そのままではただの「虚言癖の国会議員がいました」的な内容の記事でしかなくなる。

いやオカルトであるというもの、そもそもが人間の「虚言癖」という悲しい性と密接に関わりがある。

オカルトの謎を暴くという行為自体が実は「誰が嘘をついているのか」を暴くことでもあるし。

三宅雪子の証言内容の変節については、彼女のHPを見ることではっきりとわかることがいくつかあった。

ひとつは「押された段階で誰が自分を押したのかはわかっていた」が、どこでどうなったのか「あとから人に教えてもらった」ことになっている。

つまり、それでは(現場の状況からすると)三宅雪子は自分を突き飛ばした相手のことを誰か知らずに振り返りざま、甘利議員に向かって「ひどーい」という言葉を投げつけて、そしてそのあとで自分を押した相手が甘利議員であると教えられて知ったということになってしまうからだ。

最初の段階で、すでこの三宅雪子の態度はおかしかったということだ。

で、この一連の三宅の不可思議な行動に整合性というものを求めると、どうしても、三宅の行動が「はじめから甘利議員が自分(と初鹿議員)を突き飛ばすことが決まっていた上でのことだったという推測を強くしてしまうことになるのだが、三宅はこの自分の証言の変節というものが逆に「芝居(自作自演)ではないのか」という世間の疑いの目を強くしていることに気づいていなかったのだろうか。


[追記 3]

「先日(18日)日本テレビ朝の番組に三宅雪子議員が電話で出てました。とんだ食わせ者ですね」という意見が来た。

はなしには聞いていたが、実物を見ないことには何もいえない。今しがたその問題のシーンがyouTUBEにアップされていることを教えられて見たところだ。



こちらからの角度のほうがよりいっそう事件の真相を知るには好都合だろう。これを見ると、三宅容疑者は甘利明議員が初鹿議員を手で押すのを目で確認してから前方(彼女にとっては左ということになる)に飛び出していることになる。

つまり、彼女が「うしろから押された」といっている「後ろ」とは甘利議員の立っている側とは反対側のことになるわけだし、(はじめから誰が押したかは知っていたという供述を翻して)「あとから誰が押したかを教えられて知った」と言っていることになる。無茶苦茶である。

(映像という)事実証拠を突きつけられて、それでもこうまでして平然と嘘をつくことが出来るのはどうしてなのか。

自分などは、カルト信者による犯罪にも通じる怖さというものを感じている。

あなたもあのオウム事件のときの容疑者となったオウム真理教の信者の証言やらテレビでの発言を思い出しませんか?

にしても、番組司会の加藤浩次のいきなりの「当たってませんよね」という質問の仕方はストレート過ぎたのではないか。もちろん、それが彼の持ち味であり、また多くの視聴者の率直な感想であるというのもわかっているつもりではあるが。

2010.05.19