まあ今一番問い合わせが来ているのはこちらの事件についてであろう。
宮崎を中心とした九州の何ヶ所かで日本国内では10何年ぶりかの口蹄疫の発生が確認された。
現地の関係者の方々のご苦労、あるいは心労というものは私にとっても沈痛以外の何者でもない。これは天災ではなくて人災としての要素が非常に大きいからだ。
「ジュセリーノはこの予言を公表してましたか?」という問い合わせであるが、確認作業にものすごい手間隙がかかってしまった。
自分が調べなおしたのは日本国内で発売されたジュセリーノの予言が収録されている書籍と公式HRなどに掲載されている年間の予言などだが、現状ではジュセリーノが「日本国内で口蹄疫発生」という予言はひとつもない。もしかすると(まだみつからない)といったほうがいいのかもしれないが。
というのも、「だいぶ前にジュセリーノの講演に行った」という人から「ジュセリーノは『日本で家畜の病気が蔓延するだろう』(時期不明)というようなことを言っていたような気がします」というようなメールが来ているのだ。
それ自体がまだ「?」のつく情報だが、このようなことを書いてくる人が実際にいる以上は、ここで自分は「ひとつもない」と断言するわけにもいくまいと思う。
但し前後関係からすると、ジュセリーノは日本国内での口蹄疫の発生の予知の公表などはまったく考えてはいなかったはずだ。これは間違いない。
そもそもジュセリーノは口蹄疫の発生と蔓延の仕組みに関して大きな間違い(勘違い)を犯しているということはこのブログでも取り上げたことがある。
今回の日本での口蹄疫の発生がそうなのだが、この口蹄疫の発生もまた政治家の失態が招いた人災としての側面が大きい。
ひとつは、現場では不安視されていたにもかかわらず、今までストップしていた韓国・中国からの牛の輸入を、功をあせった政治家たちが解禁を許可したために、(検査システムのゆるい韓国あたりから)感染牛(水牛といわれている)が日本国内に入って来たとする見方がなされていることだ。
もうひとつの政治家の失態とは、現場から口蹄疫感染の第一例が報告されたにもかかわらず、政府の対応が後手に回ったことだった。
その理由が情けない。担当大臣がメキシコに外遊中で事態の把握のために二度手間三度手間となり現地への対応のための連絡が10日近くも遅れたとなっている。
それどころか、このような事態(担当大臣の長期海外旅行)のときは国内に残留している閣僚が緊急に担当を兼任するのが常識だというのにその申し渡しもされていなかったという。
これは「不慣れだったので」とか「なにぶんはじめてのことでしたので」というような言い訳が許されるようなレベルではない。明かな怠慢としかいいようがない。
これと同じようなことはこれからも起きてしまうのだろう。だから自分は今宮崎で起きていることは「決して他人事ではない」と言う。
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ジュセリーノの口蹄疫の予言は毎年見ることができる。ブラジルでは毎年のように起きていることだからだ。
ところが「ブラジルで口蹄疫の発生」のジュセリーノ予言は、何故か他の(たとえば鳥インフルエンザなどの)疫病の蔓延と同じように、その発生時期に季節性が見て取れる。
簡単にいうと、1月と2月(ブラジルでは夏)になぜか「ブラジルの○○で口蹄疫が発生」という予言が集中してみられるのだ。
今回の日本での発生の感染源であると推定されている中国と韓国の発生時期をみれば一目瞭然なのであるが、ともに1月から3月と冬からのまだ寒い時期に感染が確認されている。
ブラジルやアルゼンチンでも、日本-つまり北半球とは季節が逆になる8月の冬の季節にでも口蹄疫の発生と蔓延は頻繁に起きている。
口蹄疫の感染には季節はあまり関係がない。少なくとも、寒いからであるとか、あるいは暑いから発生するというものではない。コレラであるとかの伝染病とは違うものだ。
では何故ジュセリーノは口蹄疫という家畜病罹患には季節性があると思い込んでいるのか。あるいはジュセリーノの口蹄疫の予言には季節性があるのだろうか。
これはブラジルにいる日系人のかたからのお手紙で知ったことなのだが、かつてジュセリーノは2005年発表の2006年の年間予言の中に「口蹄疫の発生」というものを入れ込んで、これが時期的に当たった(とみなされている)からだろうというのだ。
要するに、ジュセリーノは「過去の栄光をもう一度」とばかりに、毎年年末に出す年間予言の1月と2月(ブラジルの夏)にはこの「口蹄疫の発生」の予言を入れ込んでくるらしい。
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それで、ジュセリーノは「日本で口蹄疫が発生」という予言は公表したかどうかだが、今のところやはり「していなかった」と言い切れるような材料は見当たらない。
ただこれはいえると思う。ジュセリーノが口蹄疫の発生のメカニズムというものを誤解している以上は、カタチになるなにかでの公表はされていないはずだと。
上でも書いたが、口蹄疫とは季節であるとかそういうことで発生する家畜病ではないからだ。
そのほとんどが今回の宮崎のように「検疫体制の不全」であるとかむしろ人為的な要素でその国に侵入したり大量発生する。これはもうどうにも動かしようもない事実である。
今回の件で現地宮崎の体制なり対応に問題があったと責める人たちがいるが、そういう考えを持っている人たちは単に無知なだけだろう。
初動以前の段階に、宮崎以外のどこの地域にでも、この「口蹄疫」が発生する危険というものはすでにあったのだ。
今年の一月に中国で口蹄疫が発生したということがわかった時点で政府は中国(香港)・韓国から生牛(水牛を含む全ての偶蹄目)の輸入はストップしなければならなかった。
というか日本国内に進入する危険は察知されていたし、そういう案件は上がっていたものの、それをひねりつぶした政治家がいたことこそが今回の「口蹄疫の国内大発生」の全ての原因になる。
この事実からは絶対に目をそらしてはいけないと思う。なぜかマスコミではこのことにはまったく触れていないようだが。
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