2010年4月20日火曜日

100420 アイスランド火山噴火とジュセリーノ予言

  


アイスランド南部のエイヤフィヤットラヨークトル氷河にある火山地帯の噴火が世界的な話題というか深刻な問題になっている。

まあ例によってこの事件(噴火)をジュセリーノは扱っていたか?警告文は事前公表されていたのかという質問が寄せられている。数はそれほどでもないが。

というか、最近では自分で調べてそして「見当たりませんでした」という結果を送ってきてくれるような人が多くなっている。こういうのは実にありがたいことである。

というように、ジュセリーノはこの世界的な問題にまでなっているこの噴火に関する「予言」は公表はしていない。

この噴火が始まったのは昨年の暮れのころであるから、ジュセリーノにしろこういうオカルトサイドの人間がこの噴火の予言の事前警告をでっちあげることだって、実はまったく出来ないことでもないのだが。

というのも、地震学というのか火山学というのかはよくわからないが、科学というよりも一種の体験則からこの大噴火を予知していた人はいたことはいたようなのである。

そういうものまでも「オカルト」扱いするわけにはいかないのだろうが。まあ結果がズバリだとしても、それは単なる偶然という可能性だってまだ捨てきれないと思う。

それよりも自分が「あいかわらずだなぁ…」と思ったのは、「ジュセリーノが過去に『2007年の12月31日までに黒い雲で覆われる』」といっていたのはこれのことである」としたり顔でネットの掲示板で書き込むバカヤロウが本当にいたことだ。

前にもここで書いたことだけれども、ジュセリーノがそれで言っていたのは(仮にもっと宗教的な意味を込めたとしても)「自分は夢の中で黒い雲が空を覆うのを見た」ということであって、本当に黒い雲のことなのだ。そして「皆はそれ目にするだろう」と言っているのだ。

では、世界中のどれだけの人がこの火山の噴火によって「黒い雲が空を覆う」のを目にしたのだろうか。皆無だろう。現地の人が目で見たのものとはあくまでも立ち上る黒い噴煙であり、火山灰の影響で薄白く濁る空である。もし、火山噴煙が空を覆ったとしてもそれは決して「黒く」はならない。

何故黒くならないかというと、それはまあ気象であるとか地理的条件[註1]もあるが、上空を漂うような微小な火山灰の粒子ならば、その空気層は太陽光を浴びて通過したり乱反射はするだろうが、太陽光をさえぎったり吸収するほど密な構造にはならない。

時に雨雲が黒く見えるのは、それ自体(雨雲)が黒いからではなくて、(水滴が)太陽光をさえぎるほど密な構造になっているからなのだ。

それだけ大きな差というものはあるということだけは知っておいてほしい。

でないと、これからもときどき現れるだろう、擬似科学かぶれの無茶苦茶なことをいだすカルトサイドやマスコミの餌食になる危険性というものがあるからだ。




[註1]アイスランドは北緯65度あたり、つまりほとんど北極圏に位置する島である。
この時期もちろんアイスランドも春ではあるが、それでもまだ太陽の位置は低く昼は短い。



追記

案の定というかなんというのか、写真を添付してきて

「これはどう見えますか。黒い雲が空を覆いつくしているしか見えないんですけど」
というメールを送ってきた人がいた。

写真がものすごく小さいのではっきりとは見えなくて困ったが、どうやらこの人は空が暗いのと雲が黒いのの区別がついていないようだ。

追記その2

送られてきたメールについていた画像のURLを手がかりにして元画像らしきものにたどり着くことが出来た。

どうやらこれのようだ。

100420-0045

100420-0049

これならば一目でわかるだろう。

要するに、この人は「火山灰の影響で空(雲)が黒くなっている」のではなくて「太陽の位置が低くて夕方と同じに単に空が暗い」というのがわからないのだろう。

もっとわかりやすく言うと、別に火山灰の影響がなくても、北極圏でこの時期この時間帯にこのような条件で撮ればこのような写真になるのだということがわかっていないようなのだ。

実際、下の写真を見ればわかるだろう。

太陽の位置(横顔の向こう側)あたりは白く輝いている。

これが火山灰の影響で空が白く濁っているということなのだ。黒くもなんともない。

上の写真だって細かな場所をひとつひとつ見れば「家の中に明かりがともっているのは何故なのか」、あるいは「噴煙が白く見えるのは何故なのか」とかいくらでも「黒い雲」に対して突っ込みをすることは可能だろう。


さて、なんの目的があって、ありもしない「黒い雲」というものを見たり、それをジュセリーノの予言に結び付けて語りたがるのだろう。

この日本にこういう人が何人もいるのは何故なのだろう。

※この二枚の写真は、画像にも入っているとおりでReuters通信社にその権利すべてが帰属する報道写真である。




追記3

「噴煙のことを黒い雲といっているのでは」という珍解釈者がいる。

いや違うだろう。だったらこのアイスランドの火山の噴火とジュセリーノ予言を無理矢理結びつけることに必然はあるのか。これまであった火山の噴火噴煙とジュセリーノ予言とは何故結びつかないのか。というような新たな問いが生まれるからだ。

自分がここで槍玉に挙げているのは「アイスランドの火山噴火による噴煙で黒くなった空こそがジュセリーノが予言していた黒い雲のことである」と掲示板でしたり顔で書き込んでいるバカヤロウどもである。

ジュセリーノ本人は(まだ)自分の予言とこのアイスランド火山噴火を結びつけるようなことは言い出してはいない。まあ言い出したらそのときは我々は満を持して大いに笑ってやろうではないか。

追記4

それにしてもこの世には「写真」とは事実を映すものだとかたくなに信じ込んでいる人が多いのには驚かされる。

写真なんて、(仕事で写真を撮る人間=プロが一番よく知っていることなのだが)事実を映すものではない。そこには写真を撮った人間が意図するなにかが入り込む余地があるものなのだ。

ここでも何度か触れたことだけれども、UFO信者であるとか、いわゆる「陰謀論者」と呼ばれる人はそのことがわかっていない。

写真なんて取り方(解釈)によっても、あるいは撮り方(撮影の方法)によっても変わるものだし、だからこそ芸術(表現形式)のひとつとしても認められているのである。

まあこういう「幼児脳(=陰謀論者)」の人たちとハナシをしていると本当に疲れるのでございますよ。

わかりますか?くるみさん。