2007年6月2日土曜日

070602 ジュセリーノ5月の予言の当り外れ

【ジュセリーノ予言の真実 0602】ジュセリーノ5月の予言の当り外れ

それでは、ジュセリーノの5月の予言が当っているのか外れているのかについて少し考えてみよう。

前にも書いたことであるが、自分はもちろんこういうことがまったく無意味だとは言わないが、あまり有用なことだと思っているというわけではない。もうひとつの考え方として提示したいことがあってその手立てとしてやるということだ。

さて、予言の当たり外れについて判定というものを出しやすいのは地震や津浪、火山の噴火といった天災の部類の予言である。ジュセリーノが月毎の予言として前もって発表していたものの中にそういう天災の予言は三つある。


1 ドイツ、モルダビア(註)などヨーロッパでの大洪水。多数の死者が出る。
2 地震がコロンビアを直撃し、住宅が破壊されて多くの死者が出る。
3 ブラジルで雨のため洪水が多発する。


この三つである。1と2は外れたといっていい。ともに多数の死者の出た洪水被害の事実自体がない。3については、ブラジルではこの時期には毎年のように起きているようなことであって「当った」とはいえなくもないのだが、だからといってここで大騒ぎするようなものでもないであろう。大河アマゾン流域というものを抱えるブラジルにおいて洪水などというものはあるのがあたりまえの出来事だからだ。

では、天災以外の「出来事」の成就についてはどうなのであろうか。これについてはちょっと真剣にというか別の角度から考えてみたいのである。

今年の5月、世界ではこのような出来事があった。

5月1日
〇FIFA、国際サッカー連盟(ブラッター会長)は、2010年開催予定のW杯南ア共和国大会の開催が不可能になった場合の代替地として、アメリカ合衆国・イングランド・メキシコ・スペイン・日本を再候補地とする決定。南アに関しては治安面・及び国内外の経済効果などから開催を疑問視する声が強かった。

5月7日
○フランス大統領選挙の決戦投票の結果。ニコラ・サルコジ氏がセゴレーヌ・ロワイヤル氏を破り当選。

5月8日
○国連は今年2月発生したソマリア難民を40万人と概算、現在の難民をめぐる情勢化で最悪の危機との声明 。

○アフリカ連合、ソマリアへ8千人の派兵を発表。 

5月10日
○イギリス(グレートブリテン北アイルランド連合王国)トニー・ブレア首相、退任を正式に表明。

5月14日
○自動車業界大手・ダイムラー=クライスラー社(独・米)は、同社のクライスラー部門(北米)を、アメリカの投資会社・サーベラス・キャピタル・マネジメント社に55億ユーロ(約9,000億円)で売却すると発表。抜本的な改革の求められるク社の業績不振から抜け出すためにク社側に求めた建て直し案に明確な将来のビジョンを見出せないダ社による「実質的なク社切捨策」と市場は評価。

5月15日
○金融情報サービス世界2位のロイター・グループと、同3位のカナダのトムソン・コーポレーションは、経営統合することで合意。トムソンがロイターを87億ポンド(約2兆1,000億円)で買収。金融情報サービス業では、アメリカのブルームバーグを抜いて世界最大となる。

5月16日
○ニコラ・サルコジ新フランス大統領の就任式。第五共和制下第6代目大統領に。

5月20日
○レバノン北部のパレスチナ難民キャンプ付近で、治安部隊とPLO内の過激武装組織「ファタハ・イスラム」と衝突。治安部隊・武装組織・キャンプ内の住民合わせて78人が死傷。

○米合衆国食料薬品検査機関(FDA)が、20日、中国産の食品や薬品の原料から毒性物質が検出されている問題に関連して、4月の1ヶ月間だけで中国から輸入された食品貨物107件を差し押さえていたことを認める発表。

5月21日
○未明、イギリスの大型帆船『カティーサーク』号で火災が発生し、船を支える梁などが焼失。ロンドン警視庁は放火の可能性もあると見ている。同号はイギリスの大航海貿易時代の象徴ともいえる名船として有名。スコッチ・ウィスキーのブランドとしても使用されており世界的にも親しまれている存在。

5月25日
○北朝鮮が25日午前、同国の沿岸部の2ヵ所から、日本海に向けてミサイル数発を発射したとの情報。

5月26日
○アメリカ映画界大物ベテラン俳優・ポール・ニューマン氏、高齢を理由に現役俳優からは引退する意向を明らかにした。なお、映画製作者としては引き続き活動する。代表作に「明日に向かって撃て」「スティング」「ハスラー2」など多数。

5月28日
○アメリカとイランが、治安の悪化が治まらないイラクの安定化についての公式協議をバグダッドで行なった。両国が直接対話するのはアメリカ大使館占拠事件によって1980年4月に国交を断絶して以来27年ぶり。

5月30日
○ベネズエラの首都カラカスで、放送局Radio Caracas Television閉鎖に抗議する5千人規模のデモが行われ、デモ参加者3人と警察官1人が負傷した。Radio Caracas Televisionはチャベス政権を批判しており、免許の更新を拒否され閉鎖に到ったもの。

○タイ憲法裁判所は30日、2006年4月の総選挙の際に、クーデター前の最大与党、タイ愛国党が小政党を買収したとして選挙違反を認定。同党と小政党2党に対して解党を命じた。

これらが現実に起きた世界的な事件・出来事の中でも特に大きなものになる。
これらの事件のうち半分どころか2・3個でもいいのである。ジュセリーノが事前に予知して先んじて発表していて、それが当っていればたいしたものだと思う。「予言者」と呼ぶにあたいするだろう。

ないけどね。まったく(笑)

特に不思議なのはフランスの大統領選挙についてジュセリーノがまったくといっていいほど、事前コメントのようなものを出していなかったことと、イギリスのブレア首相の退任(辞任)について予言どころかまったくスルーしてしまっていたことだ。

このふたつの件だけを見ても明らかであろう。ジュセリーノには大した予言の能力といったものはないのである。911の事件を予知していたとか、2004年12月のインドシナ沖津浪であるとかを予知していたとか公言していたと自称する予言者にしてはあまりにも現実起きた事件に対する予知能力はなさ過ぎることが判ってしまう。

これが「予言者を騙る偽予言者」の現実の姿というものなのだ。

この世には、ジュセリーノが事前に発表していた月毎の予言の一覧を持ち出してきて、それが当っているであるとかの「証拠」を一生懸命に探し出したり、見つけ出すことに必死になっている人たちがいる。いわゆる「予言肯定派」の人たちである。

この人たちのやっている愚かしい行為については言うまでもない。

「予言に合わせてこの世の現実というものがあるのではない、逆だ」ということに目を閉じ耳を塞いで「予言が当ったという証拠」に囚われているからである。

現実に起きた出来事からは決して目を背けてはいけないのだが。ジュセリーノの予言の能力について云々したいのであれば、この現実に起きてしまった数々の出来事の中に果してジュセリーノが事前に予知して予言という形で世に問うていたものがあったのかどうかについて考えなければならないはずだ。

そうでなければ、もしそれが通用しないというのであれば、ジュセリーノは「フィクションの世界の中の予言者」でしかないのである。

でなければ、「もう少し別の言い方をすれば」になるが「ある種の特定の思想の中でのみ予言者であると奉られるだけの存在」ということも出来よう。

そういう特定の考え方をもっているという人だけがジュセリーノのことを予言者と呼べばいい。まあある種の宗教的な存在としてということだが。


※5月に起きた世界的事件については「みち☆まり」さんから頂いたメールを参考にした。

ニュースソースは主に「asahi-news.com」「ウィキぺディア」「google」などで、ふたつ以上のソースがあるもののみに絞ったそうである。

ソースそのものに国名表記などのミスがあったものについては自分(かまた)が直した。予言の当たり外れとはまったく関係はないが、やはりこういうことには厳格であったほうが良いという判断をした。




【註】
モルダビア共和国。よく勘違いされるがモルドヴァ共和国とは別の国である。おそらくはジュセリーノは、一種の勘違いというか「何かおかしな情報」をもとにしてこんな予言をしてしまったとしか思えないのだ。それでこういう間抜けというかヘンテコリンな地域予言になってしまったのではないか。

でなければこれはやはり「モルダウ河」を書き間違えた一種の誤植なのではないかと書いたのだ。

ある方からのメールには「大失敗でしたね」というようなことが書かれていた。「おそらくはジュセリーノはモルダビア共和国のことを旧ソ連の非常に開発の遅れた小さな国で、このようなことを書いてみても嘘はバレないであろうという思惑でこの国名を名指ししたのではないか」とも書かかれている。

ホント大失敗でしたね(笑)新しい地図を見てから予言をすればよかったのにね。まあ、それじゃ予言にはならないのだけれど(笑)何がかというと、このモルダビア共和国という国、水域面積がほぼゼロ。つまり大きな河が一本も流れていない国なのである。海にも面していない。この国が大洪水に見舞われるためには、それこそ隣接している某大国が豪雨であるとか大洪水にでもならなければありえないことだからだ。しかし、であるとしたのならば、わざわざこのような小さな国の名前を出すことがおかしいということにもなるのである。その隣りの大きな国の名前を出せばいいのである。

【追記2】
このようなことを書いて来た人がいた。
「ジュセリーノが予言の中で出した地名は、国の名前ではなくてあくまでもドイツの予言であリオ・デ・モルダヴィア(モルダウ河)の流域ことである。つまりジュセリーノの予言は外れていない」という反論である。

だから そのことは誰よりも真っ先に自分が言い出したことだ。ところがたま出版の掲示板でも、東京スポーツの記事でもこれがモルダウ河であるという言及はなされておらずに「モルダビア」という国であるという前提でこのジュセリーノの予言のことを取り上げている。

それに影響を受けたのか、他のジュセリーノ予言(肯定)サイトでもこの「モルダビア」のことを国の名前だとしてこの予言のことを「当る可能性」とかを書いているのだ。
そのことを馬鹿にしたのは他のだれでもないこの自分だって。

それに だからどうしたというのだ。どっちにしても予言は外れているではないか。モルドヴァでもモルダビアでも たとえそれが「モルダウ河」のことだとしても どっちにしても予言は外れている。自分の首を締めるようなことをわざわざ書いてこられてもなぁ(笑)。

自分がここで取り上げたのはジュセリーノによる事前予言の不自然さについてである。

たとえば、「モルドヴァとモルダビア」を勘違いしたとか言い出す人も出てくるのかもしれないが、それではジュセリーノが語る予知のシステム自体に疑問を指すことになる。たかだか十数年前に行なわれた国名の変更と、新国家の独立すらもはっきりと認識もしていないまま「モルダビア」と教えてくれる「助言者」って何者よ?という新たな疑惑も生むからだ。

これもあるかたからのメールに書かれていた一種の推測である。

>ジュセリーノさんって古い世界地図を見ながら予言とかしてなくないですかね?
自分もそれが一番真相に近いような気がしてならないのだが。
「1980年、ウクライナの大統領に手紙を送った」とか書く人だしなぁ(笑)