この記事を書いているのは6月10日の深夜である。
さて、ある方からのご注進なのであるが、「たまBBS」に気になる書きこみがあったと教えて来てくれた。
黒い雲は巨大になる
投稿者:ニラサワ
この数日、日本各地で雷雲が暴れまわっています。
晴れていても急速に黒い雲が発達し、豪雨が降るのは
ジュセリーノさんが見た「黒い雲」の走りです。
やがて世界各地で、それは都市を覆い尽くすほど巨大になり、
暗黒の空からレンガ大の氷が降ると話されました。
その他、年内に日本で起きる災害の詳細が判明したものがありますので、
「予言集Ⅱ」に間に合わないものは、整理してコラムに掲載する予定です。
この「ニラサワ」なる人物は韮沢潤一郎氏のことと断定してもかまわないようだ。
それにしても「そんな地球の危機のときにコラムをまとめている場合じゃないだろうが。鉄兜でも被ってれば?」という突っ込みを入れたくなるような矛盾に満ちた味わいのある文章である。いや、笑い者にしている場合ではないのだが。
自分にこのことを教えてくれた人はオウムの石垣島セミナーみたいな展開ですね。とても不気味です。と言って来た。なるほど表面的な事実だけをなぞっただけであるが、オウム真理教が1990年に目論んだ「石垣島セミナー」に至る経緯に似てなくもないのである。
このようなことは今だから、過去を振り返った現在だからこそ言えることなのであるが、1990年、総選挙に「真理党」としてうって出たものの結果大惨敗に終わったオウム真理教内部は信者の動揺が大きく、教祖を中心とした教団の求心力というものが低下してしまっていた。それを解決すべくオウムの上層部が緊急的に行なったのが「オースチン彗星の接近で起きる天変地異から身を救う」という名目で行った「石垣島研修」であった。このことで信者の中にある危機感を煽り、尚且つ信者達の内心に密かに芽生えていた上層部への不信からも目をそらせようとしたのである。このときに出家した信者の数は多かったと聞いている。がしかし結果これが大失敗であったのである。オースチン彗星なるものが接近しても何も起こらないという「現実」に対して失望した信者達の方が結局多くなってしまったからだ。そしてオウム真理教は宗教団体として大きな曲がり角を迎えてしまうのである。
ニラサワ氏の文章からはそれと似た「焦り」のようなものを見取ることが出来る。それを感じるのはそのメールを送って来た人だけでなく、自分だけでもないはずだ。
その妙な焦りというものが何に起因しているのかは類推不可能なことではあるまい。
以前ヘヴンズゲート(天国の門)のことも書いたけれど、どうもオカルトとかカルトの人たちというのは自分らの立場が危くなると彗星であるとか小惑星を地球に接近させたり衝突させたがるようである。
妙な共通点であるが。いずれたまBBSにも「もうすぐ地球に小惑星が大接近するというニュースが」などというガセが書き込まれるのであろう。そういう人たちなのである。困った話であるが。