2007年2月27日火曜日

070227 ジュセリーノの予言の嘘 1 マスメディアによる犯罪

 
【ジュセリーノ予言の真実 0227】 ジュセリーノの予言の嘘 1 マスメディアによる犯罪 

ジャンル違い? いえ、本来ならばここに書くのがもっとも適切だとの声がある。

昨年12月30日テレビ朝日系で放送された、『ビートたけしの超常現象(秘)ファイル2006』というテレビ番組内で紹介されたブラジルの予言者「ジュセリーノ」の予言に関する検証の一部である。

この番組が「テレビ番組」として問題なのは、放送するテレビ朝日が「ジュセリーノの予言」の中には放送される前にすでに外れていた予言が多数あったにもかかわらず、それを伏せるような形で「恐るべき的中率」という形容詞で、さもジュセリーノの予言がこれまでしてきた予言が全て当ったかのような印象を与えるVを作って流したところにある。

たとえば、ジュセリーノは去年(2006年)のかなり早い段階で、「2006年 8月 日本に大きな地震がある。日本は危機的な状態になる」という予言を公表していた。

もちろん去年の8月に日本にはそんな大きな大地震はなかった。

それ以外にもトルコで大地震。台湾で大地震。アルジェリアで地震。日本で大地震(5月)と、地震関係の予言はすべてことごとく外しまくっているのだ。

最初この番組のビデオを見たとき、自分はそのときにはじめてジュセリーノという予言者のことを知ったのだが、「なんかスカスカだなぁ」という単純な疑問を抱いた。しかしなんのことはない。少なくとも、ジュセリーノがマスコミの前に登場してから公表した予言の大半は外れていただけであったのだ。その部分を伏せるような形でV作り(さぞ苦労したことだろう。同情はしないが)をしなければならなかったので、一見「?」という印象になるVにしかならなかったというのがおそらくは真相なのではないか。

ジュセリーノの予言のその該当部分を見ると、かろうじて字面で「当ったのかな」と言いきれるのは、サッカーワールドカップに関する「イタリアは優勝する可能性がある」という予言と「ブラジルは勝てない」という予言くらい。まあ、全体でも、大甘で見てみてもせいぜい50%くらいになるのではないか。

「そりゃイタリアが優勝したらブラジルの優勝はないだろう」という突っ込みが入りそうだ。が、まあ少なくとも、ジュセリーノにはサッカーの評論家くらいは出来そうな予知能力はあるのかも。予知というか予想だけどな。

ところが、それ以前にジュセリーノが当てたと主張している事件には「911同時多発テロ」や「サダムフセインの隠れ家の場所」とかその描写があまりにもはっきりとしていているのだ。「二機の飛行機が高いビルに衝突する映像がはっきりと見えたのです(番組内のナレーションより)」とかあまりにも具体的すぎるのである。この差はどこからくるのか。普通に考えれば、この時点でほとんどの人は「なんか怪しい」と気がつくはず。

そのことに気がつかない(ふりをしている)のは、そこに「金」であるとか「視聴率」とかの問題がからむからであろうけれど。

しかし、自分がのことをはじめて書いて今まで自分のところには沢山のメール(40通以上)があって「初めてジュセリーノの予言がフィクションであることを知りました」とか、「おかげで不安が消えました」ということを書いてきているのだからテレビ朝日が犯したその罪は決して軽くはない。

メールを下さった中にひとり、年明け早々テレビ朝日に直接電話をしてジュセリーノの予言の真偽について確認したという方がいた。

その方のはなしだと、テレビ朝日はあの番組は一種のバラエティであって内容にはフィクション(「嘘」といえはっきりと「嘘」と)があるということをあっさりと認めたのだそうだ。

自分にも似たような経験がある。テレビ朝日には何度か問い合わせの電話をした経験があるだ。そのときの手順(違う部署に何度も電話をたらい回しにする。最後に出た人間は決して自分の部署を明らかにしない、など)とまったく同じなので、この方のメールには信憑性があると自分は確信している。

どういうことか。それは、これを読んでいるあなたが今テレビ朝日に電話しても同じような手順で同じような返答をしてくるだろうということだ。間違いない。

まあ「バラエティ」だと開き直るのならそれでもいいが、せめて番組終わりにはちゃんとテロップでこの番組(のVの部分)がフィクションであるとの断りぐらいは出すべきではないか、とは以前自分も言った記憶があるのだが・・・、果して今年の年末の番組ではどうなってるであろうか。正直自分はほとんど期待はしていないが。


さて、問題はそのことだけではない。今、ネットで「ジュセリーノ」で検索をすると、こういう予言関係のブログがいっぱい引っ掛かってくる。ほとんどが「ジュセリーノの予言は本物」というものばかりだ。そしてその数は毎日少しずつ増えていっているのだ。

そしてその大半は怪しげなカルトや金儲けにジュセリーノの予言を利用しようとしている人たちだったりする。

8年前のノストラダムスの予言のときと同じ様相を呈し始めている。

こういった状況に加担しているのはいうまでもなくテレビ(テレビ朝日)というメディアであり、いみじくも、それはTBSがオウムの殺人事件に加担した事件あの事件とまったく同じ構造になっているのだ。
(この項終わり)